2020年12月30日水曜日

1年を振り返り、翌年を迎える準備をする方法

こんにちは。スタッフひかりです。2020年も終わりですね。皆さん本当にありがとうございました。

昨年まで大学生だった私にとって、今年は社会人になって初めて迎える年末〜新年です。私の中で例年と大きく違うところは、この時期に「一年を振り返る」という作業を人生で初めてきちんとやっていること。ありがたいことに、Co-Edoでも1年を振り返り、来年へつなげる作業をする機会があったので、今回はそのことについて書こうと思います。

なぜ今まで年末に振り返り作業をしてこなかったのか

さて、本題に入る前に、なぜ今まで私が振り返り作業をしてこなかったのか、ということですが、それは、10代の終わりからいつもこの時期は忙しすぎて年末年始どころじゃなかった!から笑。

私は高校〜大学まで、音楽科で作曲を専攻していたのですが、高校入学から大学を卒業するまで、毎年2月に作品の提出があったため、ずっとこの時期は家に缶詰で作曲をしていました...(トホホ...)

また、これは音大生&音楽家のあるあるだと思うのですが、秋〜年末はとにかく演奏会が多い!!!ということで(なぜかと言うと芸術の秋、クリスマス、年末の第九など、クラシック音楽のイベントが盛りだくさんなのですよね)本番、本番、本番...と、1年の振り返りどころではないスケジュールであることがいつもの年末でした。詰まるところ、忙しさにかまけて1年を振り返るということまで気がまわらなかったのですね。

今年は大学を卒業したことと、COVID-19の影響で演奏会が開けないため、初めて年末の空気感を感じることができています。こんなに演奏会が無い冬は、恐らくもうしばらくはやってこないような気がするので笑、今年はきちんと1年を振り返り、「区切り」をつける経験をしたい(あわよくば習慣にしたい...)と思います。1年を振り返るということは、自分を振り返り、自らと対話することになるでしょう。それは、セルフケア(自分を思いやること)にもつながると思います。

七味五悦三会

さて、先日、年内最後のMCA(Master of Co-Edo Administration)を開催しました。年内最後ということで、受講生からは「今年を振り返りたい」という声があり、弘治さんが2つの「今年を振り返るメソッド」を教えてくれました。どちらも私は初めて知ったものでしたが、自分を振り返り、自分の内面を見つめ直すのにうってつけだと思ったので皆さんに紹介させてください!

1つ目のメソッドは『七味五悦三会です。これは、江戸時代、庶民は除夜の鐘を聞きながら「七味(ひちみ)、五悦(ごえつ)、三会(さんえ)」を家族で話し合ったというもので、この一年間、初めて食べる美味しいものが七つ、楽しかったことが五つ、その年に初めて会って嬉しかった人が三人いれば、「今年はいい年だったねえ」と喜び合うという風習です。

「振り返りをしよう」と聞くと、なんとなく自分のできなかったことや反省点ばかり出てきてしまうのは私だけでしょうか?自分の失敗や、人に言われて傷ついたこと、失敗した料理...笑...などは強烈に記憶に残るので忘れないものですが、良かったことや楽しかったことは意外にも日常に埋もれていってしまうように思います。素通りしてしまいがちな良かったことに意識を向けて、コミュニティの中で共有し、承認し合う。自分が暖かい気持ちで1年を終わらせられるのはもちろん、その暖かさをその場にいる人たちと分かち合えるのがとってもいいなと思いました。

今回のMCAではメソッドの紹介だけで、実践はしなかったのですが、大晦日に私もCo-Edoとは別の仕事の仕事場でやるつもりです。(ええ、大晦日も仕事です。エッヘン)

2020年満たされたニーズと2021年満たしたいニーズ

2つ目のメソッドは、2020年満たされたニーズを振り返り、2021年満たしたいニーズに思いを馳せるというものです。

必要なものは『NVC』のニーズシートのみ。やり方は以下のとおりです。
①NVCのニーズシートを一人一枚用意し、今年を振り返りながら満たされたニーズをチェックしていきます。
②特に満たされたものを数点(今回は5点でやりました)発表します。
③お互いの満たされたニーズを共有し、味わったら、今度は来年満たしたいニーズにチェックをします。
④特に満たしたいニーズを発表します。

「今年を振り返ろう!」と漠然と思っても、方法を知らないと、一体何から振り返ったら良いのか...と、戸惑うこともあるのではないでしょうか。このメソッドだと、ニーズシートに沿って行うので、やり方はとっても簡単です。しかも、NVCを知らなくてもできちゃいます!
しかし、1つ1つのニーズについて考えていくと、思いのほか、自分と深い対話をすることになります。私は最初、やり方を聞いた時に「とっても簡単じゃーん!これならすぐ選べる!」と思ったのですが、実際やってみると、「このニーズは、あの出来事によって、今◯パーセントくらい満たされているな」という自分との対話が始まり、自分が思っていたよりも選ぶのに時間がかかりました。
また、来年に思いを馳せるときも「やりたいこと」ベースだと、あれもこれも...とたくさん出てきてしまう私にとって、ニーズに絞られたこの方法だと、思考を整理しながら、冴えた状態で考えることができて良かったです。

私が2020年特に満たされたニーズは、
・コミュニケーション
・コミュニティ
・平等
・頭を整理すること
・選択
この5つです。

2020年の1番満たされたニーズは「コミュニティ」でした。
なぜかというと、今年はとにかく人間関係が快適だったからです。学生が終わり、自分が属するコミュニティを自分で選べるようになったということと、Co-Edoで働き始めた影響が大きいと思います。
今まで、私は不健康な人間関係に無理にしがみついて頑張ってしまうことが多かったのですが、そういうものを手放すことが怖くなくなったというか、不健康な人間関係を手放しても「私は私が良いと思うことをやっていける」と肯定できるようになりました。それは、Co-Edoで働き始めたことによって、新たな学びがある日々に私が夢中に、そして必死になっていたからだと思います。それまで不健康にしがみついていた人間関係にコミットメントする暇が、良い意味で全然ありませんでした。また、Co-Edoでスタッフ皆さんと出会えたことも私にとって大きな喜びでした。いつ会っても、「こういう人になりたい」と思わせてくれる人たちです。自然といい影響を受けられる場所に居られることに本当に感謝をしています。そして、私もいい影響を与えられるようになりたいと思うようになりました。


もう1つ、「コミュニケーション」というニーズにチェックがついたことに自分でも驚いています。
今年は『NVC』に出会ったことで、コミュニケーションを取ることへの不安が減ってきているなと思っています。詳しくは2つ前の記事で書いていますが、今までの私だったら「コミュニケーション」にチェックが付くことは考えられませんでした。なぜかというと、「人を傷つけたくない・失望させたくない」という気持ちが強すぎて、話すときに「一体どんな言葉を使えば相手の気分を害さないだろうか...言葉が出てこない...言いたいことがいつも伝わらない...訂正もできない...」という状態に陥ることが多くあるからです。自己内省をすることは大好きなので、自分の気持ちにつながるところまでは、ここ数年で、ある程度は自力でできるようにはなっていました。しかし、それを表現するのはいつも困難だ、と思っていたところで『NVC』に出会い、希望が見出せているところです。

満たされたニーズを味わったら、今度は2021年に満たしたいニーズをあげてみます。
思いやり
配慮/気遣い
空間・余裕
喜び
ユーモア
創造性
私の場合はこんな感じになりました。

「思いやり」「配慮/気遣い」「空間・余裕」は、もっと周りに配慮のできる、周りが見える人になりたいという思いからです。仕事の進め方でも、今やっていることでいっぱいいっぱいになって、周りや先のことが見えなくなりがちなので「よく見ること」に気をまわしたいと思います。NVCを学びながら、コミュニケーションの取り方も、相手に寄り添えるようになりたいです。
また、自分を思いやることも訓練していきたいと思います。今年は与えてもらったことを消化しようと頑張ることが多かったので、かなり寝不足の日々を送っていました。心をすり減らしてくるシステムや人から自分を守れなかったり、許せないことを飲み込まざるを得ないことも多く、それらは私の心身にあまり良くない影響があったと自覚しています。来年の年末は「自分がとても大事」だと言えるようになりたいです。なぜなら、「自分を大事にすること」は結局コミュニティにもいい影響を及ぼすのだと『NVC』で学んだから。

「喜び」「ユーモア」「創造性」については、来年は知識を詰めるばかりではなくて、感性豊かに生きていきたいという思いからあげました。私は、日々のどんな些細な出来事に心を震わせて生きていきたいと思っていて、それが自分のより良い表現活動につながると信じています。もしかしたら「七味五悦三会」を日々意識するのも有効かもしれないですね!

最後に

今年は、ほぼ初めて、このような1年の「振り返り」や「区切り」を体験しました。実際にやってみて、この「振り返り」や「区切り」とは「これは過去に置いていこう」「これは未来に持っていこう」という仕分け作業のようなものだなと感じています。今年は、恐らく多くの人にとって激動の1年だったのではないでしょうか。「区切り」をつけることによって、「悲しさや苦しさは手放して、学びを得て、新たな年に持っていく」ことを皆さんとやりたいです。「七味五悦三会」や「2020年満たされたニーズと2021年満たしたいニーズ」で家族やコミュニティの中で、ぜひ1年を振り返ってみてください。

そして、家族やいつものコミュニティの人たちと今年は会えないという方にオススメしたいのがこちら。『満たしたニーズを記録するWebアプリ』です。ニーズを選んで記録をし、必要に応じてURLを伝えてシェアすることができます。なんとこれを作ったのは弘治さん!!無料アプリなので気軽に使えるところも嬉しいポイントです。是非皆さん使ってください!もちろん、Co-Edoに来てシェアするのも大歓迎です!


最後に。今住んでいる家にテレビを置いていないこともあり、私はよくポッドキャストを聞くのですが、この間、いつも聞いている番組『こんにちは未来』で『NVC』のことが取り上げられていたので、シェアをして終わろうと思います。(『NVC』は『第51回 ジェンダーの話をしよう』で触れられています。)

皆さん、今年は出会ってくださり、本当にありがとうございました。来年も共にによい光に向かって進めますように。





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