先日開催した勉強会主催者のための勉強会で、本当にたくさんのイベント開催Tipsを知ることができました。
それに刺激を受けて、Co-Edoオープンから半年程度で170以上のイベント・勉強会等をみてきましたので、そこから得られた集客Tipsをいくつかご紹介したいと思います。
といっても、これらはすべて試行錯誤の途中であり、『今時点の』『個人的なベスト』です。 明日あさってには別の意見になっているかもしれませんが、自らもいくつも主催してきたことで分かったことをつらつらと書き綴りたいと思います。
なおここではイベントと記載していますが、有志で行われる勉強会をおもに想定し記事を書いています。
集客を考えるというまえに
集客以前に大事なこととして- 魅力的なイベントをすること
これについては今回のテーマではないため、別途書きたいと思います。
今回は「プロモーションに予算が無い勉強会の場合」でも使える、誰でもできる集客Tipsというのを書いてみたいと思います。
文章力の無いわたしでもできる、即効性のあるTipsです。
(勉強会そのものを良くしましょう的な身もふたもない話は今回の範疇ではありませんのでご注意をw)
ATND以降の集客媒体
勉強会のなかには「無理して集客するつもりはない」というものも多いでしょう。 とはいえ。 「多少は来てくれないと寂しい」というのも正直なところです。「20人くらい来るかな?」と思ってて、実際ふたを開けたら5人っていうんじゃ寂しいじゃないですか。涙も枯れるってもんじゃないですか。
以前は「ATNDで募集しておけばそれなりに集まった」という牧歌的な時代がありました。 勉強会を見つけるための仕組みも、ATNDを中心にできあがってたような気がします。
しかし奇しくもevent ATND(イベントアテンド)ができたくらいから、ATND頼みの状況は変わってきた感じです。
数多の同種のサイト(以下「イベント告知サイト」)ができたことでATNDの良さが相対的に失われたとも言えます。
おもなイベント告知サイト
おもなイベント告知サイトとしては次のようなものがあります。- ATND beta
- event ATND
- こくちーず(告知's)
- Zusaar
- PeaTiX
- everevo(イベレボ)
- PARTAKE (パーテイク)
- connpass
- EventRegist(イベントレジスト)
- wazoo.jp
- EventForce
- TwiPla
- Meetup
- Doorkeeper
ほかにもfacebookイベントを使うというのも良いですね。
個人的なおすすめはDoorkeeperですが、それはまた別の機会にでも。
おもなイベント検索サービス
また、いち勉強会参加者として、自分にマッチした勉強会を見つけるためのサービスというのもあります。- IT勉強会カレンダー
- IT系の勉強会がたくさん載っている公開Googleカレンダー
- 登録の際はIT勉強会カレンダーに情報を下さる方へをご確認ください
- IT勉強会ナビ for iPhone by Forkwell
- 国内のIT系の勉強会やイベント情報を閲覧、検索できるiPhoneアプリケーション
- eventboard
- 自動取得したIT系勉強会を探せるwebサービス
- Study Mail
- 登録キーワードを含んだ勉強会が告知された時メールでお知らせするサービス
個人的なおすすめはstudy-mail.infoですが、これもまた別の機会にでも。
facebookイベントは万能か
どの媒体で告知するかで、現状もっとも最初に考慮するべきポイントは「facebookイベントを利用するか否か」ではないでしょうか。その手軽さから多くのイベント主催者に人気で、主催者によっては「facebookイベントを使わないと集客ができない」とまで考えている方も多くいます。
たしかにfacebookイベントは強力ではあるのですが、次のようなデメリットがあるというのも事実です。
- 定員の設定ができない
- イベント概要が見にくい
- 「参加」「未定」の人数を信用しづらい
予想される集客数が会場の大きさを超える場合、facebookイベントは使えません。
(Apple銀座で行われる各種のイベントのように、あくまで当日先着順とできるようなイベントはその限りではありませんが)
またfacebookイベントの「参加」者の当日の出席率の悪さは、予算組みや正常なイベント運営に支障が出るレベルです。
さらにいえば「未定」が未定として機能していなかったりします。これはSNS特有の弊害だと思いますが、「『参加しない』とするのは主催者に対して申し訳ない」という意識から「未定」を選択するケースは多く、本来の意味で「未定」としているかどうかがつかめません。
結果的に人数把握が重要なイベントでは使えないということになってしまいます。
告知はどのように行うのか
にもかかわらずfacebookイベントが人気なのは、参加者がイベントを見つける手段はSNSがほとんどだからでしょう。ATND betaが隆盛を極めていた当時、イベントの周知の多くはtwitterで行われていました。 イベントを見つけたらRTされたり、参加申し込み時につぶやかれることで、自然とイベント情報が広まっていきます。
facebookユーザーが増えた今、SNSで周知するという状況はより加速しているかもしれません。
facebookイベントを利用すると「告知」から「拡散」までが一カ所で行われるため、非常に理にかなっています。
現状、イベント告知サイトの情報を広めるためには、つぎのふたつが一般的だと思います。
- SNS(マイクロブログ)
- メール(ML、メールマガジン)
後者は、SNSのように情報がフローとして流れていかないため、SNSを補完できるという特徴があります。
参加者に対するリマインドメールは、参加希望者が確実に足を運んでもらうための施策として重要です。
周知の際に、両者を組み合わせるというのが、イベント告知においては効果的といえそうです。
(基本的にイベントの集客は、イベント自体の魅力と、どのように周知するかにかかっているため、どのイベント告知サイトを使っても問題ありません)
SNSで周知する際のTips
というわけでようやく本題です(笑)はじめから完璧な告知文を用意しないというTips
サムライスタートアップアイランドの両角将太さんも年間200回のイベントをたったひとりで回す方法で語っていましたが、キャッチコピーは大事です。他にもどんなイベントかを端的に表したり、対象者を明確にしたりというのは、非常に重要ではあります。
ですが。全体としてははじめから『完璧な』告知ページを用意する必要はありません。
SNSが中心になって情報が広まっていく現状で、告知開始日に完璧である必要は必ずしも無いのです。 もちろん完璧であるに越したことは無いかもしれませんが、頑張りすぎてそこで燃え尽きるくらいなら、SNSによる拡散に力を入れたほうが良いです。
5日かけて100%のものを作ろうとするよりは、さくっと80%のものを作ったほうが良いです。 また、わざと100%にしないというのも有効です。理由は次のTipsで。
繰り返し周知するというTips
twitterやfacebookのようなマイクロブログでは、情報はフローとして消化されます。 TL上の情報をすべて追っているという人はわずかであり、ほとんどの人は、ほとんどの情報を見逃しているし読みとばしています。そのため、質よりも量のほうがはるかに重要だったりします。 多くの人にシェアされまくるような良ツイートであれば別ですが、凡人のわたしにはそんなものは書けません(笑)
ただし。
同じ情報を何度もシェアするのは迷惑です。
いくら読みとばされていても、目には入っているのですから、なるべく「またこれか」と思われないようにしなくてはなりません。
そのためには「常に新しい情報をシェアする」ということが重要です。
同じイベントであっても別の内容をシェアすることはできます。 イベントの魅力や対象者が、ひとつだけということは無いでしょう。
1回目で「iPhoneアプリの作り方を、未経験者に分かりやすく伝えます」と言ったとしても、2回目で「iPhoneアプリを30本リリースしているAさんのお話が聞けます」「経験者の方もぜひ」と言うことはできます。
別の角度から魅力を伝えていくというのが効果的です。
そして、前述のはじめから100%の告知文にしないという理由もここにあります。 「新しい情報を追記しました」といってシェアするほうが、すでに情報を知っている人にとっても親切です。
新しい情報というお土産をつけてあげ、繰り返し情報をシェアし、より目に留まる確率を上げていきましょう。
長い文章をシェアしないというTips
SNSを利用してシェアする場合、1回の情報は短く簡潔にしましょう。
SNSを使う目的は、イベント内容の伝達ではありません。
イベント告知サイト(ページ)への誘導のみです。
イベントのタイトルや、SNSのシェアにより、イベントに興味を持ってもらい、詳しい情報はすべてイベント告知ページで読んでもらいます。
twitter連携をしている場合は、なるべく文字数は100文字以内におさめるようにしましょう。(残りの40文字はリンク用)
とはいえ無理してそれ以内におさめることもありません。あくまで目安として。
人気だぞと「錯覚させる」Tips
イベントを人気にするTipsではありません。それがあるならぜひ知りたいです(笑)これは、たとえ同じイベントであっても、小細工して人気だと思わせるためのTipsです(笑)
- 「⚪︎⚪︎人の申し込みをいただきました」とシェアする
- 「あと⚪︎⚪︎席になりました」とシェアする
ちょっといやらしいTipsではありますが、本気で集客したいのであればこの程度で腰が引けてはいけません。
あるイベント主催者から教えてもらい、非常に効果があるのが。
- 最初からMaxの人数を定員として設定しない
はじめての勉強会などで「参加人数が読みづらい場合」はじめは16人もしくは(一般のコワーキング利用のことも考慮し)もう少し少なめの人数(8~12名)で募集します。
告知を開始し当初設定した定員に達した場合(もしくは達しそうな場合)は、定員を増やし「席数を増やしました」と案内できます(=案内の機会が増える)
Co-Edoの場合、勉強会開催時にもコワーキング利用者の方が数人いますので、はじめからコワーキング利用者の人を無視した募集をすることはありません。
実際にこの手段を使ったほうが良いイベントばかりではないと思いますが、 集客は工夫したかどうかで大きく変わるということがわかったのはこのTipsを試してからです。
シェアする時間帯のTips
せっかくシェアするのですから、いつするのかについても試行錯誤したいものですね。【保存版】Facebookページの投稿が一番多いのは、何曜日の何時? ~2,000社のFacebookページを集計~という記事がありましたが、概ね感覚値と近いのではないでしょうか?
時間帯としてはお昼休みの前と夕方の帰宅時間の前が、シェアに最適だと思います。 どちらもよくfacebookが利用される時間帯の直前ですので、多くの人の目に留まりやすいです。
重要な内容を告知する時はぜひその時間帯を狙いましょう。
一方で、時間帯をばらけさせるというのも意味がありそうですよね。 いろいろ試して、より効果的な時間帯を見つけましょう。
募集開始日のTips
「何日前から募集するのか」というのも考慮するべきことのひとつです。いくつか試しましたが、多くの勉強会は、基本的に2週間以上早くから集客を開始しても効果がありませんでした。
そのため、基本的には2週間前の同じ曜日に告知を開始するということにしています。 同じ曜日にしているのは深い意図はありませんが、複数のイベントを告知していると自分でも混乱するからという理由と、単純に「2週間後の今日」という言い方ができるからです。
もし2週間前までに準備が整っていなくても、会場さえ押さえてあるのであれば、詳細未定でも告知は開始して良いと思います。
初速を稼ぐというTips
いくら何度もシェアするといっても「最初が肝心」であるということは間違いありません。とくに、はじめてそのイベントの案内をする時は、複数人が協力して行ったほうが良いです。
協力するのは
- 主催者・関係者
- 参加してくれる友人
日程調整に携わった人は全員ですね。
必ず参加してくれる友人の方は、告知するときには「参加」の状態にしておきましょう。 参加者が誰もいない状態で募集するということがないようにします。
最初のシェアについては、必ずしも全員でする必要はありませんが、何人かは同時にシェアしたほうが効果的です。(何人かは別の時間帯にばらけさせても良い)
上記のように意図するかしないかにかかわらず、初速の稼げるイベントは人が集まりやすいです。
集客時のモチベーションも変わってくると思いますので、多少盛ってでも参加者がいる状態を作りましょう。
facebookページからシェアするというTips
facebookを利用している場合は、個人アカウントよりもfacebookページからのシェアのほうが、いくつかの点でおすすめです。もしfacebookページからの発信が可能な場合はぜひ。
まず、facebookページのいいね数が少ないという方の場合。
とにかく情報発信をfacebookページに集中させて、いいね数を増やしましょう。
情報がそこからのみであれば、いいねはおのずと増えていきます。
なおtwitterを併用する場合は、(別々に発信しない場合)facebookページ→twitterという連携がお勧めです。
個人アカウントからの発信は、facebookページからシェアするようにします。
そのときもなるべくfacebookページとは別の文言を使うと良いですね。
facebookページを基点にするもっとも大きな理由は、インサイトの活用ができるという点です。
これにより、どのようにいいねを獲得したか、いくつクリックしてもらえたか等が分かります。これをみるだけで、自分のフォロワーにはどのような発信が効果的かが見えてきます。
メールで告知する際のTips
MLやメールマガジン等で募集できる方もいると思います。メールの場合、SNSと違って数が多ければ良いというものではないようです。
SNSのようにTLで流れていくものではないため、読む人は読みますし読まない人は何度送っても読みません。
SNSのように短く書く必要もありません。
媒体の違いを意識して、それにあわせて作りましょう。間違ってもまったく同じ文章でシェアしてはいけません。
ここはまだ試行錯誤が足りてないのですが、いくつか現状効果がありそうだと考えていることをご案内します。
集客のためのリマインドメール
参加者を増やすためのリマインドメールは2回も送れば充分と思われます。(告知開始時と別に)SNSを使わずに読書会で40人を集めるビジマ(bizima) - ビジネス・マーケティングの読書会・勉強会の主催者山田 案稜さんは、土日に開催しているイベントのリマインドは4日前と1日前のメールだそうです。
平日開催で土日祝日に当たる場合はその前日(金曜日等)に送ると良いとのことですので、わたしも試してみたいと思います。
参加者あてのリマインドメール
参加者に対してもリマインドメールを送る意味はあります。- キャンセル待ちの方がいる場合、その人に枠を譲ってもらう
- キャンセル予定者に「キャンセル」をしてもらい、当日の出席率をあげる
来ないと分かっている人のために何かを準備することは無駄ですし、そもそもその人のために本当は来たい方が来れない可能性もあります。
キャンセル待ちの方がいるようであれば、前日に「ご都合悪くなった方はキャンセルを」とメールするだけで意外とキャンセル手続きをしてくれます。
経験上、前日にリマインドメールを送ると当日キャンセル率はかなり低いです。
最後に
以上が集客時に考慮している事項です。 冒頭でも述べましたが、これらは現状まさに試行錯誤していることであり、もっと良い方法があるかもしれません。 試してみて分かったことがあればぜひお知らせください。ただし、感覚で判断するのは危険です。 仮説は重要ですが、思い込みは邪魔になります。
facebookイベントについて「その手軽さから多くのイベント主催者に人気で、主催者によっては『facebookイベントを使わないと集客ができない』とまで考えている方も多くいます。」と書きました。
イベントの集客は、「魅力的なイベントをすること」と「効果的なプロモーションを行うこと」に勝るものはありません。
「このイベント告知サイトを使えば間違いない」というものがあれば、デファクトスタンダードになっていることでしょう。 facebookイベントを含め、そういったものが存在していないことが、「facebookイベントを使わないと集客ができない」ということの反証ともいえます。
媒体の差がゼロとは言いませんが、無視して良いと思います。 それよりもどのように集客するかのほうが、何倍も大事です。
一緒にいろいろと工夫していきましょう。 興味があればイベント・勉強会主催者ネットワークというfacebookグループへご参加ください。
コワーキングスペース茅場町 Co-Edo
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ブログでもお知らせしています(8月19日(月)から2週間以内の勉強会等のイベント予定)