2022年2月25日金曜日

「共感サークル」やってみました!

 スタッフのゆづきです。私先日、初めてNVCのユーザー会に参加してまいりました。
NVCについて基礎的なことを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!

開催日当日に飛び入り参加させてもらったこともあり、楽しみにしつつも緊張しながらZoomに入ったのですが、結果、とても楽しい時間を過ごすことができました。そのNVCユーザー会の中で、初めて「共感サークル」を体験してきたので、やってみた感想をシェアしたいと思います!


「共感サークル」とは?


この「共感サークル」NVCをご存じの方の中には、どこかで聞いたり、実際に体験されたりした方も多いのではないでしょうか?「共感サークル」とはひとことで言えば、NVCの力を体感するためのワークです。具体的なやり方は恐らく様々な流派があるのでしょうが、今回は、


①数人のグループのうち、1人が話し手としてエピソードを話す
時間は2,3分で内容は何でも良く、聴き手はその話をノーリアクションで聞き続ける
 
②それを受けて聴き手は、そのエピソードを体験した話し手の感情を、感情とニーズのリストから選び「この感情はありましたか?」と次々に投げかけていく。話し手はその問いに反応しても良いししなくても良い。ただ投げかけられた感情が自分の中にあったかを、自分に問い続ける。

③話し手は、投げかけられた感情の中から、最大3つ、自分に当てはまるものを選び発表する。話し手にとってしっくりくる感情が見当たらない場合、②を続ける

④③で発表した感情を受けて、その感情はどのニーズからくるものか、②の要領で、聴き手が話し手に、感情とニーズのリストをもとに次々問いかけていく

⑤話し手は、投げかけられたニーズの中から最もしっくりくるものを最大3つ選んで発表する

⑥話し手も聴き手も一緒に、⑤のニーズを味わう。この際特に言葉は発さないでただ共感する



大体こんな手順で行いました。
(NVC Japanからも共感サークルのカードを使った共感サークルのやり方がこちらの記事に紹介されています)


やってみた感想


話し手として参加してみて強く感じたのは、
「NVCって、問題解決以外の場面でも使える!」という点です。
というのも、もともと私は問題を解決するためにNVCを意識することが多くありました。例えば、誰かとケンカしたとき、誰かに何かを手伝ってほしいときなどです。つまりニーズが満たされない場面でNVCを使うことがほとんどでした。ですがユーザー会では、ニーズが満たされたエピソードをお話しし、それに共感してもらうことで、想像以上の喜びを感じました。「満たされたニーズにNVC的に共感してもらうこと」は普段は無いので今まで気づきませんでしたが、これはとても充実した、安心できる心地よい時間です。ここから、この日の共感サークルを振り返ってみて、NVCは問題解決のためだけにあるわけではないことにハッと気づかされたというか、、、 。私の中で、NVCはテクニックではなく、コミュニケーションの在り方そのものです。今回体験した「共感サークル」は、これを実感できた貴重な体験になりました。






改めて、ユーザー会に参加してみて、NVCについての興味の強さや親しみ度に関わらず、皆で一緒に楽しめること、NVC的に共感できることが、NVC世界の面白さだと感じました。
共感サークルやNVCユーザー会はオンラインで気軽に参加できる場所も多いですので、「共感サークルやったことないけど興味ある!」「NVCについて話したい!質問したい!」という方はお気軽に参加してみると楽しいと思いますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?😊





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2022年2月11日金曜日

NVCを知って半年の現状報告

 
こんにちは!スタッフのゆづきです。今回は、NVCを知って約半年ということで、NVC初心者の私が、生活の中で使ってみて感じたことをシェアしたいと思います。

NVCについて私は、ここ、Co-Edoで初めて知りました。アルバイトの面接の時に話題にあがったのです。私のもともとの考えと通ずるところもあり、その考え方はすっと身体に馴染みました。しかし実際に取り入れてみると、NVCの良さだけでなく、実践する難しさもたくさん感じました。

そもそも、NVC(Nonviolent Communication)とは、心理学者マーシャル・ローゼンバーグにより体系づけられたコミュニケーション方法のことです。直訳すると「非暴力コミュニケーション」

『観察』『感情』『ニーズ』『リクエスト』という4つの要素を意識しながら

① 4つの要素を、率直に表現すること(伝えること)
② 4つの要素を、共感をもって受けとめること(聴くこと・感じること)

によって、お互いにの『ニーズ』を満たしてより良いコミュニケーションを図ります。NVCについての基礎的なことはこちらの記事でより詳しく、わかりやすく説明してくださっているので、「NVC初めて知った!」という方はぜひ読んでみてください。




使ってみて感じた難しさ

難しさを感じたところは大きく分けて3つありました。

①NVC的に話そうとすると面倒がられるときがある
②ジャッカル=悪いもの と考えてしまう
③多くの人はNVCを知らない

①NVC的に話そうとすると面倒がられるときがある
これついては初めから予想がついていたことでした。私の場合、慣れないうちはNVC的なコミュニケーションを心がけようとすると、“OFNR”を丁寧に実行する必要がありました。この“OFNR”を口に出して表現すると、

『観察内容』のとき、わたしは『感情のような気持ち』になりました。
それは、わたしが『普遍的なニーズ』を大切にしているからです。
もしよろしければ『実行可能なリクエスト』をしていただけますか? 

こんな感じになります。どうでしょうか。多少まどろっこしくかんじませんか?笑
急にこんなしゃべり方をすれば違和感満載だとは自覚しながらも、家族など親しい間柄の人との会話ではできるだけこの要素を意識しています。特に、ケンカ気味な場面では感情に任せてジャッカルな表現にならないようより気を付けます。まずは自分が冷静になるために、これらを口に出して伝え、自分と相手のニーズにのみ注目できるように努めていたのですが、、
ある時、NVCを知らない母と何気ないことで言い合いをしていて、
『もー、何なの?めんどくさい。。。』
と言われてしまいました。言われた瞬間は正直心底傷つきましたし、何よりNVCを使ってコミュニケーションを拒まれたら本末転倒です。


②ジャッカル=悪いものと考えてしまう
NVCでは、キリンとジャッカルの2つのアイコンが使われます。
NVCの象徴としてキリン、NVC的ではないものをジャッカルで表現するのですが、これはあくまでただの区別です。決してキリンが良いものでジャッカルが悪いものというわけではありません。
しかし、
・NVC的なコミュニケーションを心がけよう
→そのためにジャッカルな表現は避けよう
→ジャッカルな表現は使ってはいけない
とこのような考え方に陥ってしまうことがたまにあります。特に、自分のコミュニケーションを振り返ったときに「今日ジャッカルな言い方しちゃったな」と落ち込むことが多いです。さらに自分に余裕がないときは、ケンカ中に相手がジャッカルな表現をしたときにもイラっと来たり。笑 普段は、ジャッカルは正しいとか間違っているとかではないと理解しているのですが、余裕がなくなるとついついジャッカルは悪であるかのような考え方に囚われて、“相手を責めた自分”を責めるというジャッカルのループにはまります。


③多くの人はNVCを知らない
NVCについて知らない人と、NVC的なコミュニケーションを図ることにも苦労しました。もちろんNVC的なコミュニケーションを目指すとき、相手はNVCを知らなくても問題ありません。しかし、当たり前ですがお互いが知っていた方がスムーズに話せます。NVC初心者の私はそれにもどかしさを感じました。そもそも、相手がNVCユーザーではない場合に何の前置きも無く話を進めると、相手にとってジャッカルなコミュニケーションが前提だった、ということがよくあります。「どちらが正しいかという答えを求めている人、自身の主張が正しいことを証明しようとしている人」と「お互いのニーズを満たそうとしている私」とで議論を進めると、まったく話し合いが嚙み合いません。私にそのつもりが無くても、相手にジャッカルな表現として解釈されることがよく起こりました。



これらの感じた難しさも、徐々にハードルは下がってきています。一言でいえば「慣れ」が解決したのですが、ただ慣れたというより、NVCに対しての認識が変わったという感じでしょうか。母に『めんどくさい』と言われて、どうしたら良かったのかと振り返る中で、自分の目標がずれていることに気が付きました。「OFNRを完璧に実行して、NVC的なコミュニケーションを成立させ、お互いのニーズを100%満たしたい」という無理な目標が無意識のうちに芽生えていて、それ故に自分、もしくは相手のニーズが満たされなかったとき強い不満足感を感じていたのです。この問題は解決しないままNVCを続けるうちに、頭の中で物事を処理するスピードが少しずつ上がり、その場の最低限の要素に注目してNVCを使えるようになりました。その他の問題も、「NVCを使いこなそう」という意識がなくなったとき、小さなものになりました。




NVCが役に立った場面

ここまでNVCを使ってみて難しいと感じたことを語ってきましたが、もちろんNVCを知っていて良かったという場面もありました。中でも特に、

①ケンカの仲裁ができるようになった
②日常の振り返りがしやすくなった

この2点が挙げられます。

①ケンカの仲裁ができるようになった
私の家は、私・妹3人・弟1人の5人兄弟なのですが、同じ家に子どもが5人いれば、ニーズの不一致なんて起こり放題で、ケンカや小競り合いは日常茶飯です。そんな私にとってケンカ仲裁は超重要なスキルなので、NVC知っててよかったな~と思う場面がたくさんありました。笑 家では「また何か言い合ってるー」と思いながら、これはNVC初心者の私にとっては絶好の練習の場となりました。自分と誰かの争い中にNVCを意識することは難しくても、私が関係無い所で起きた争いは、客観的に観察できます。今の母のニーズは何なんだろう、弟はなぜこんなに怒っているんだろう、、と感情とニーズを観察する練習に最適でした。そして観察に慣れたころから間に入ってみることにしました。ここでは、お互いのニーズを明らかにすることだけに徹します。
NVCを知る以前の私は、家族がケンカしているのを見かけたら、個人的な道徳感で判断して悪いと思った方を言い負かすようにどちらかに加勢する感じでした。シチュエーションにもよりますが、このやり方ではどっちが正しかったというオチを求めてしまうし、攻撃して勝つ以外の道が無いので相手を傷つけて自分もケガします。NVC的な考えで仲裁に入ることにより、どちらかが正しいと結論づける方向性ではなくなるため皆がある程度納得するかたちでその場が落ち着くことが多くなりました。

②日常の振り返りがしやすくなった
普段のコミュニケーションを振り返るときにも、NVCは役立ちました。私はNVCを知る前から、モヤモヤした気持ちはモヤモヤのまま放っておかずに、私は今怒っているのか悲しいのか、その両方なのか、なぜ今嫌な気持ちを解決できていないのか、など自分で分かるまで因数分解するタイプでした。(NVCを知ってからは、この段階で感情とニーズのリストを使うこともあります)でもそこから先、じゃあどうしたらよかった? どんな言い方すればよかったの? というモヤモヤ感は残ったままで、「こういう人だからしょうがない」などと無理に理由づけをして自己処理することが多かったです。しかしNVCを知って「具体的で実行可能なリクエスト」をするのが良いと知ったので、以前よりもう一歩踏み込んで、どうやって表現したらよかったか、を考えるようになりました。




“ 気楽に ”NVCを続けていきたい

半年間をNVCを実践してみて、ある意味『NVCは万能ではない』ことを痛感しました。NVC的なコミュニケーションを心がけても、自分や相手のニーズを必ず満たせるかどうかは分かりません。しかし、それと同時に、結果にこだわりすぎなくても十分意味があることも分かりました。自分のニーズを自分の中で明らかにすることができれば、それができない状態よりも自分のニーズを満たしやすくなり、相手のニーズを満たすことを意識できればコミュニケーションを取りやすくなり、結果的に自分のニーズもさらに満たされやすくなる。こうしてどこか一つのポイントだけでも、今日のケンカを思い出したときに一瞬でも、NVCを思い出せれば自分のニーズが満たされやすくなります。個人的には、自分や相手の感情とニーズは何なのかと考えるその過程に、コミュニケーションのモヤモヤを解決する方法があると感じます。私自身、NVCを使ってみて色々な壁にぶつかりましたが、それよりもNVCを知っていて良かったことの方が大きいと今回振返ってみて再確認しました。「よし、今日から身の回りのコミュニケーション全てOFNRを使うぞ!」などと意気込む必要はありません。どこか1つの要素を意識すれば、しないよりはNVC的になっていくので!NVCのいいところは、まったく難しくない点です。習慣化こそ大変ですが、だからと言って実践することを諦めるのももったいないので、この先も気楽にNVCを続けていこうと思います。😀



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